2024年
10月
07日
月
疥癬患者110名をペルメトリン治療群と安息香酸ベンジル治療群の2群に分けた。各々を3日連続で塗布した。3週間後にダーモスコピーで確認したところ、ペルメトリン治療群の治癒率は27%、安息香酸ベンジル治療群の治癒率は87%であった。
Br J Dermatol 2024; 190:486–491
2024年
9月
01日
日
重症型円形脱毛症患者32名と健常者32名を比較した。その結果、円形脱毛症患者の血中亜鉛濃度は9.72μmol/Lであったのに対して、健常者では10.70μmol/Lで有意な差があった。また円形脱毛症の重症度と血中亜鉛濃度には有意な逆相関があった。
Acta Derm Venereol 2023; 103: adv13358
2024年
9月
01日
日
ニキビ患者を、アダパレン0.1%+過酸化ベンゾイル2.5%ゲル使用群(40名)、過酸化ベンゾイル2.5%ゲル使用群(44名)、コントロール群(42名)の3群に振り分けて治療した。
その結果、24週後の治療成功率(炎症性皮疹が10個以下)は各々89.2%、87.5%、47.4%で、治療群で有意に高かった。萎縮性瘢痕(ニキビ跡)はアダパレン0.1%+過酸化ベンゾイル2.5%使用群で25%、過酸化ベンゾイル2.5%ゲル使用群で17.6%減少したが、コントロール群では減少しなかった。
J Dermatol. 2023;50:1513–1522.
2024年
9月
01日
日
オランダの11の病院で、デュピルマブ(商品名:デュピクセント)によって治療中のアトピー性皮膚炎患者595名を調査した。治療開始前の重症度スコア(EASI)は18.2だった。そのうち401名に対して投与間隔の延長を行った(平均して治療開始後65.5週間、EASIスコア2.5)。
その結果401名中334名(83.3%)で皮膚炎のコントロールを維持した状態での投与間隔の延長に成功した。また、2019年1月から2022年6月の期間で3,977,033ユーロの費用を節約できた。
Br J Dermatol 2023; 189:327–335
2024年
2月
18日
日
疥癬治療について述べられた147本の論文を調べた。疥癬治療の失敗(無効、再発等)は、小児で18.6%、成人で14.1%、全体で15.2%であった。治療別の失敗率は、イベルメクチン2回内服(7.1%)、イベルメクチン1回内服(15.2%)、イベルメクチン外用(9.3%)、ペルメトリン外用(10.8%)、リンデン外用(18.1%)、安息香酸ベンジル外用(25.3%)、クロタミトン外用(27.7%)であった。
Br J Dermatol 2024; 190:163–173
2023年
11月
05日
日
2023年
11月
05日
日
Diphenylcyclopropenone(DPCP)による局所免疫療法で治療した円形脱毛症患者3,002名を調査した。
その結果、再発毛率は69%、完全再発毛率は23%であった。全身性または全頭性の円形脱毛症の発毛率は42%、部分的な円形脱毛症の発毛率は75%であった。
Dermatologic Therapy
Volume 2023, Article ID 6073889, 12 pages
2023年
11月
05日
日
2023年
11月
03日
金
29名の結節性痒疹患者(男性22名、女性7名)を調査した。デュピルマブ(商品名:デュピクセント)による治療開始後、DLQI(生活の質スコア)の平均値は、治療開始前の23.93から、治療開始1ヶ月後に11.66、6ヶ月後に1.83と有意に改善した。NRS(痒みスコア)の平均値も、治療開始前の9.79から、治療開始1ヶ月後に3.52、6ヶ月後に0.31と有意に改善した。
Dermatologic Therapy
Volume 2023, Article ID 3835433, 8 pages
2023年
8月
27日
日
2023年
8月
15日
火
2023年
8月
15日
火
ブータンで81名のアオバアリガタハネカクシの接触による皮膚炎患者を調査した。主な症状は痛み(90%)、痒み(82.7%)、発赤(59.3%)、圧痛(55.6%)であった。主な皮膚症状は、紅斑水疱(発赤を背景とした小水疱)(70.4%)、直線状皮疹(54.3%)であった。
Skin Health Dis. 2023;3:e223
2023年
8月
15日
火
504名の骨髄増殖性腫瘍患者(本態性血小板血症:54.4%、真性赤血球増加症:37.7%、原発性骨髄線維症:7.9%)を調査した。
49.8%に痒みがあり、そのうち44.6%が水原性そう痒症で、55.4%が非水原性そう痒症であった。JAK2に変異がある人は有意にそう痒の合併率が高かった。
水原性そう痒症は主に男性で、非水原性そう痒症患者は女性に多かった。真性赤血球増加症患者の35.8%に水原性そう痒症が認められ、本態性血小板血症患者の14.6%、原発性骨髄線維症患者の10%に比べて有意に多かった。
J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023;37:1175–1183.
2023年
8月
15日
火
197名のサル痘患者のうち、196名は同性愛または両性愛の男性であった。全員に粘膜や皮膚に発疹があり、性器(56.3%)や肛門周囲(41.6%)に認められることが多かった。86.3%に全身症状があり、発熱(61.9%)、リンパ節腫脹(57.9%)、筋肉痛(31.5%)が認められた。
BMJ 2022;378:e072410 | doi: 10.1136/bmj-2022-072410
2023年
8月
15日
火
調査した528名のサル痘患者のうち、98%は同性愛または両性愛の男性だった。主な症状は、発疹(95%)、発熱(62%)、リンパ節腫脹(56%)、倦怠感(41%)、筋肉痛(31%)、頭痛(27%)であった。死亡者はいなかった。
発疹が認められた部位は、肛門生殖器(73%)、体幹四肢(55%)、顔(25%)、手掌足底(10%)であった。発疹の種類は斑点、膿疱、水疱、かさぶた等で、多彩な皮疹が同時に認められた。41%に粘膜症状が認められた。
n engl j med 387;8 nejm.org August 25, 2022
2023年
8月
15日
火
141名の光線角化症患者に対して、70名は5-FUだけを外用し、71名は5-FUと保湿クリームを併用した。その結果、治療効果や皮膚刺激反応(赤み、かさつき、かさぶたなど)に関して有意な差は認められなかった。
Dermatol Ther (Heidelb) (2023) 13:1013–1027
2023年
3月
19日
日
アメリカで閉経後の女性106,844名に対して飲酒および喫煙と乾癬の発症の関連について調査した。21年間の調査中に2,837名(2.7%)が新たに乾癬と診断された。
飲酒は喫煙の影響を除くと乾癬の発症には影響がなかった。ワイン、ビール等の酒の種類を考慮しても影響がなかった。
喫煙は飲酒の影響を除いても乾癬の発症リスクを有意に上昇させた。
American Journal of Clinical Dermatology (2023) 24:325–332
2023年
1月
09日
月
61,899人の円形脱毛症患者のうち、重症型は1,497人であった。もっとも多い合併症はアレルギー疾患で、アレルギー性鼻炎(38.3%)、アトピー性皮膚炎(17.5%)、喘息(16.2%)であった。重症型の円形脱毛症ではアレルギー以外の合併症(甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、白斑、乾癬、関節リウマチ、鉄欠乏性貧血)の割合も高かった。
J Dermatol. 2023;50:37–45.
2022年
10月
09日
日
アトピー性皮膚炎の治療に使われる内服JAK阻害薬3種類(アブロシチニブ:商品名サイバインコ、バリシチニブ:商品名オルミエント、ウパダシチニブ:商品名リンヴォック)の有効性に関して比較した10本の論文を調査した。
アトピー性皮膚炎の重症度スコアであるIGAを、ウパダシチニブはアブロシチニブ、バリシチニブに比べて有意に改善した。ウパダシチニブ30mgが全ての投与法のうち最も有効で、ウパダシチニブ15mgもアブロシチニブ100mg、バリシチニブ2mg、バリシチニブ1mgよりも優っていた。
別の重症度スコアであるEASIに関して、ウパダシチニブはアブロシチニブ、バリシチニブよりも優っており、アブロシチニブはバリシチニブよりも優っていた。ウパダシチニブ30mgが全ての投与法のうち最も有効であった。
治療に関連した副作用発生率に関して、アブロシチニブ、ウパダシチニブは偽薬に比べて有意に高かった。
Dermatologic Therapy. 2022;35:e15636.
2022年
9月
19日
月
アメリカとカナダで中等度から重症のニキビ患者741名に対して塗り薬の併用療法の有効性を調査した。使用した薬剤はクリンダマイシン(商品名:ダラシン)、過酸化ベンゾイル(商品名:べピオ)、アダパレン(商品名:ディフェリン)の3種類。741名をクリンダマイシン+過酸化ベンゾイル+アダパレン、過酸化ベンゾイル+アダパレン、クリンダマイシン+過酸化ベンゾイル、クリンダマイシン+アダパレン、基剤(有効成分なし)の5群に分けて、1日1回12週間塗布した。ニキビの重症度スコアが2段階以上改善した場合に有効とした。
その結果、有効率はクリンダマイシン+過酸化ベンゾイル+アダパレンで52.5%、過酸化ベンゾイル+アダパレンで27.8%、クリンダマイシン+過酸化ベンゾイルで30.5%、クリンダマイシン+アダパレンで30.3%、基剤(有効成分なし)で8.1%で、クリンダマイシン+過酸化ベンゾイル+アダパレンの3種類併用群は他のどの群に対しても有意に有効率が高かった。
American Journal of Clinical Dermatology (2022) 23:93–104
2022年
9月
18日
日
日本でアトピー性皮膚炎患者366名(成人166名、小児200名)を対象にジファミラスト軟膏(商品名:モイゼルト軟膏)の有効性を調べた。成人は1%ジファミラスト軟膏、小児は144名が0.3%ジファミラスト軟膏、56名が1%ジファミラスト軟膏を患部に1日2回、52週間塗布した。最終的に302名が塗布を52週間継続できた。
その結果、アトピー性皮膚炎の重症度スコアが75%以上改善したのは、4週間後では成人9.6%、小児32.0%、24週間後では成人33.1%、小児60.5%、52週間後では成人55.4%、小児73.5%であった。重症度スコアの平均改善率は、4週間後では成人21.3%、小児37.3%、24週間後では成人45.2%、小児44.7%、52週間後では成人59.6%、小児61.2%であった。
Dermatol Ther (Heidelb) (2022) 12:1589–1601
2022年
9月
18日
日
アメリカで計90名の肝斑の女性を対象にハイドロキノンの有効性を調査した。4%ハイドロキノンクリームと日焼け止めを併用した。その結果、肝斑の重症度スコアが8週間後には30-40%改善し、16週間後には45-55%改善した。
Dermatol Ther (Heidelb) (2022) 12:1989–2012
2022年
9月
11日
日
ニキビと食事の関連について書かれた34の論文を調査した。その結果77%の論文で糖質の摂取とニキビの悪化に関連が認められた。乳製品の摂取とニキビの悪化については、欧米では関連が認められたが、欧米以外では関連は認められなかった。
JAAD Int 2022;7:95-112
2022年
2月
23日
水
ドイツで成人の中程度から重症のアトピー性皮膚炎患者908名(男性58.7%、平均年齢41.9歳)について、喫煙群352名(現喫煙者226名、10年以内の喫煙者126名)と非喫煙群556名(非喫煙者461名、10年以上の非喫煙者95名)の2群に分けて比較した。
病変の範囲は2群間で同程度だった。赤み、むくみ、ぶつぶつ、ごわつき、乾燥に関しては2群間に差はなかったが、滲出液、かさぶた、すり傷に関しては喫煙群で有意に多かった。また、喫煙群では非喫煙群に比べて症状が落ち着いている期間が短く、痒みの程度が強かった。
JEADV 2022, 36, 413–421
2022年
1月
11日
火
オランダでイボの原因ウイルスであるヒトパピローマウイルス(HPV)に対する調査を行った。イボと診断された人の家を訪問し、本人のイボとおでこ、家族のおでこ、キッチンタオル、浴室マットを綿棒でこすってサンプルを採取した。合計で患者62名、家族157名、キッチンタオル58枚、浴室マット59枚のサンプルを採取した。
その結果、実際にはイボがない家族のおでこからのサンプルの42.3%からHPVのDNAが検出された。HPV1、HPV2、ガンマ型HPVのDNAがイボから検出された場合は、本人及び家族のおでこから約70%、キッチンタオルから約45%、浴室マットから約60%という割合でHPVのDNAが検出された。
JEADV 2022, 36, 119–125
2021年
12月
26日
日
縦の線状の混濁を伴う爪白癬患者82名(男性49名、女性33名、平均年齢61.7歳)に対して、患部の爪に10%エフィコナゾール液(商品名:クレナフィン爪外用液)を塗布した。
その結果、24週後には41.3%の患者の爪の縦の線状の混濁が消失し、72週後には81.7%で消失した。
J Dermatol. 2021;48:1474–1481.
2021年
11月
22日
月
デンマークで、ステロイド外用剤を使用した妊婦60,497人と使用していない妊婦241,986人を調べた。
ステロイド外用剤を使用した妊婦60,497人中5,678人(9.4%)の胎児が在胎不当過小児であったのに対し、使用しなかった妊婦では241,986人中22,634人(9.4%)であった。
ステロイド外用剤を使用した妊婦で、2,006人(3.3%)が低出生体重児であったのに対して、使用しなかった妊婦では8,675人(3.6%)であった。
強力なステロイド外用剤を多く使用した場合でも、在胎不当過小児や低出生体重児の危険性は上昇しなかった。
JAMA Dermatol. 2021;157(7):788-795
2019年
9月
15日
日
アメリカで48,400人の男性と75,170人の女性を26年以上調査した。その結果、ビタミンAの摂取量が多いほど有棘細胞癌の発生率が低くなることがわかった。ビタミン Aの摂取量が少ないグループに比べて、摂取量の多いグループでは有棘細胞癌の発生率が17%低かった。
JAMA Dermatol. Published online July 31, 2019
2019年
9月
10日
火
イスラエルで徴兵された600,404人(男性299,163人、女性301,241人)の若者を調査した。その結果、男性の18.7%、女性の16.3%にニキビが認められた。
BMI(肥満度)別にニキビの有病率を調べたところ、肥満度が増すほどニキビの有病率が減少する傾向があった。軽度肥満で20%、肥満で35%、高度肥満で50%ニキビの有病率が減少した。
J Am Acad Dermatol 2019;81:723-9
2017年
7月
27日
木
91,942の基底細胞癌および3,299の有棘細胞癌を含む307件の論文を調べた。その結果、アルコール摂取量が10g増える毎に、基底細胞癌の発生率は1.07倍になり、有棘細胞癌の発生率は1.11倍になることがわかった。
British Journal of Dermatology
Version of Record online: 26 JUL 2017 | DOI: 10.1111/bjd.15647